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with five senses
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《帰省中の新幹線の中で。今日から9連休♪》

「私ね、男の人のこと、好きになれないみたい。」

オレのベッドの上にペタンと座ったまま、女は言った。
ふわりと広がったフレアスカートから無防備に白い素足が伸びている。
「仲のいい女友だちに抱き締められるのは平気なの。
自分から腕を組んで歩くこともあるし…でも、男の人はダメ。
触れられたくないし、抱き締められるなんて考えたくもない。
好きって思う人はいるけど手を繋ぎたいと思わないし、
当然、キスしたいとか、その先なんて考えたことない。考えられない。」

手を伸ばせば触れられる距離にいる。
想いを寄せている男の前で、オトコという人種に分類されるというだけで、
オレとキョリを置こうとする彼女が腹立たしくもあり、悲しくもあった。

「オンナとして、これじゃダメなんだろうなって思うけど…
いまは結婚はもちろん恋愛に対しても憧れはないな」
そんなことをいう口は塞ぐよ?

考えたくない、考えられないというのなら、いますぐここで押し倒してやろうか?

言えるはずもない黒いセリフが、オレの中で渦巻いているなんて、
目の前の女は思ってもいないのだろう。

なぁ、お前のまわりには今までよほどイイ男がいなかったんだな。
オレに出会ったんだから、その価値観、変えてみろよ。捨ててみろよ。
傷付けるかもしれないけど、大切にするから。
これまでお前がオトコたちから浴びせられてきたコトバを忘れさせてやるから。

オレの熱い視線に気付きもしないで、女は時計を見上げた。
「あ~っ、もうこんな時間だ。明日も仕事なんだからもう寝なきゃね。
ごめんね、長居して、愚痴きいてもらって。」
ベッドから足を下ろした彼女は、オレ好みの華奢なミュールをひっかける。
少し弾みをつけて立ち上がって皺が延びるわけではないのに、
ふわりとスカートをはらった。

まだ帰るなよ。オレの話を聞けよ。
そう言ってしまいたいのに、彼女が仕事のことしか考えられないのを知っているから、
声が喉の奥に張り付いたまま出てこない。

「じゃあ、お休み。明日ね。」

ドアの外から手をふる彼女に「おぅ」と短く返事した。

お前が危なっかしいから守りたいんだといったら、仮面をつけて笑うのか?
「意外にロマンチストなんだね」とか
「案外、古典的なんだね」とか言うんだろうか。
だけど、そんなふうにオレに思わせているのは、他の誰でもないお前なんだぞ。

なぁ、仕事の時にみせるあの強い責任感で、オレの想いの責任をとってくれよ。

彼女がそこに座っていた証であるシーツに残る皺にオレはそっと頬を寄せた。

♪ AI

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